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2015年07月01日

【歌集『摩天楼の森』の感想文をいただきました!】


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2015年6月28日(日)付の『東奥日報』に八戸・カネイリ書店のベストセラーランキングが載っていて・・・ありがたいことに『摩天楼の森』が6位になっておりました(返り咲き!?)。
 
本当に心からありがたいことだと思って、僕は八戸のみなさまに感謝しています。
 
実は、先日、『摩天楼の森』の感想文(書評)を歌人の谷とも子さんからいただきました。
 
正直、とても嬉しかったです。
 
正直、かなり感激しました。
 
正直、作者の自分でさえも気がつかない解釈もわかりやすくしていただき、心から感動しまくりでした。
 
今回、谷とも子さんには12首の短歌をピックアップしていただきました。
 
ぜひぜひ、みなさまにもこの感想文をお読みくだされば、と願います。
 
RCサクセションの大ファンだという谷とも子さん!本当にありがとうございました!
 

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〈『摩天楼の森・大庭れいじ歌集』を読んで(谷とも子) 〉
 
まず韻律の良さにぐんぐん惹かれる。句またがり、一字開けや字余りやテクニックを駆使しながら、まったく自由で自然で。そして、アイテムやキャラクターがぱっと前面に出るインパクトの影にそっと作者自身の優しさや繊細なところが見えてじんわりきました。
 
 
【1】「いちまいのおりがみで鶴をおるまでのながい道のり 羽をひろげて
 
 (一番はじめにキュンとなった。一字あけには鶴にふうっと命を吹き込んでいる作者がいる。そして鶴とともに飛び立つ。長かったね。でももう大丈夫と。)
 
  
 
【2】「千羽鶴ひきずりながら他者の死のため終電はゆっくり走る
 
 (終電は安堵感と疲れとやりきれなさに満ちている。それは千羽鶴をひきずっているから、、。すごく納得しました。願いや想いや希望の数は多ければ多いほど本当が埋もれてしまってますます重くなる。人がみんな降りた終電は車庫でようやく電車だけとなって眠れるのだろうか。そんなことまで思ってしまった。)
  
 
 
【3】「わらった日わらえた日はもうわすれたさ わらわれた日々がわれを生かすのだ
  
 (韻律と「わ」の連なりがまずうまい。受け身であることを力にしようとする力。勇気がもらえる。)
 
 
 
【4】「寝るときは瞼を左から右の順に閉じてく癖が抜けない
 
 (すごく好きです。このお歌。子どもの時「いい夢は瞼を左から閉じれば見れる」と教えられてずっとそのままでいるような。いい夢って子どもの時からそう変わらないのかも、、と思う。)
 
 
 
【5】「ころころとだれかにころがされてもいい 蝶になるのはもう知っている
 
 (芋虫の連作の最後。ころがしている誰かは飛べないけど芋虫は空へゆける。私ごとですが、毎年、芋虫から育って一匹の蝶が家の庭から飛び立ちます。だからいつも同じ事を思っていました。)
 
 
 
【6】「冬用のペットボトルの飲み口をようやく閉じて春をむかえる
 
 (このお歌も好き。冬の気圧入りのペットボトルをがんばって閉じようとしてくださってたんですね。ありがとう。って素直に思える。)
 
 
 
【7】「たぶん俺はセミ人間さ 背広着てもどこか滅びのある違和感よ
 
 (「ウルトラQ」のオープニング曲がかかるたび、あのもや〜んとしたタイトル文字とともに引きずり込まれていました。「どこか滅びのある」きっとなかの羽が開いてくるのでしょう。なじめない寂しさと初句の言い切りが混在して「もや〜ん」としてしまいました。)
 
 
 
【8】「ジャンプしてキックするにもまず眼鏡レンズ拭かねば町がつぶれる
【9】「ずたずたに切り裂かれても枯れた道あるきつづけてこそ飲める真水
 
 (「ウルトラQ」から始まり映画、藤子ワールド、ドアーズそしてビートルズへとず〜っとハイテンション世界が開かれていくのは、まさにスリリングでありました。後書きを読めば、入院の日々の作品とわかり、そのハイテンションは作者の叫びと祈りの言葉ではないか、、と思いました。すきな作品はたくさんありましたが、この二首が特に好きです。確かに生きてて前を向こうとしている作者がいる気がします。)
 
 
 
【10】「信号の明かりがつかぬ国道を人と風とが譲り合い通る
 
 (Blackの章を一番感じる一首です。ながいながい人の歩く列に作者のやさしいまなざしが混じっていることが救いのような、、。うつくしい一首です。)
 
 
 
【11】「いつまでもまぶたに残る町並みよ あの日からしぼんだままの風船
 
 (「いつまでも」が連作となってサブタイトル的にあってまさに時系列の強さだと思いました。)
 
 
 
【12】「このままでいいと捨てずに風船を抱かえてずっと膨らましゆく
 
 (一番始めの「折り鶴」の一首と響き合ってる、、と一読思いました。折り鶴に命を吹き込んだ作者と風船を抱いて膨らまし続ける作者。どんなつらいことがあってもそうやってどなたかが息をそそいでくれてるのだと思えば、呼吸も楽になるかもしれません。勇気と愛のあふれる一首です。)

posted by 大庭れいじ at 06:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする